ミニリンメルト(デスモプレシン酢酸塩水和物口腔内崩壊錠)は、夜尿症(おねしょ)の治療に広く使われているお薬です。
しかし、「水分制限ってどれくらい必要?」「飲むタイミングが分からない」「水で飲んで大丈夫?」など、飲み方のポイントを知らないと効果が十分に出なかったり、低ナトリウム血症といった副作用のリスクが高くなることがあります。
今回は、薬剤師が ミニリンメルトの正しい飲み方・水分制限の理由 をわかりやすく解説します。
ミニリンメルトとは?
ミニリンメルトの働き(作用機序)
ミニリンメルトは、体の中で「抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)」と同じ働きをする薬で、抗利尿ホルモンの不足による多尿を防ぐ効果があります。
特に、抗利尿ホルモンの分泌が夜間に少ないタイプの夜尿症に有効です。
またミニリンメルトOD錠には60μg・120μg・240μgの規格があります。
60μgは「中枢性尿崩症」にのみ適応があり、120μgと240μgは「中枢性尿崩症」と「夜尿症」に適応があります。
適応疾患
ミニリンメルトOD錠の適応となる疾患は下記のとおりです。
前述しましたが、60μgだけ夜尿症の適応が無いので注意が必要です。
・ミニリンメルトOD錠60μg
<中枢性尿崩症>
通常、デスモプレシンとして1回60〜120μgを1日1〜3回経口投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減するが、1回投与量は240μgまでとし、1日投与量は720μgを超えないこと。
・ミニリンメルトOD錠120μg
<尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症>
通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして120μgから経口投与し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシンとして240μgに増量することができる。
<中枢性尿崩症>
通常、デスモプレシンとして1回60〜120μgを1日1〜3回経口投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減するが、1回投与量は240μgまでとし、1日投与量は720μgを超えないこと。
・ミニリンメルトOD錠240μg
<尿浸透圧あるいは尿比重の低下に伴う夜尿症>
通常、1日1回就寝前にデスモプレシンとして120μgから経口投与し、効果不十分な場合は、1日1回就寝前にデスモプレシンとして240μgに増量することができる。
<中枢性尿崩症>
通常、デスモプレシンとして1回60〜120μgを1日1〜3回経口投与する。投与量は患者の飲水量、尿量、尿比重、尿浸透圧により適宜増減するが、1回投与量は240μgまでとし、1日投与量は720μgを超えないこと。
口腔内崩壊錠(OD錠)の特長
ミニリンメルトは水なしで服用できるタイプの薬です。
というか疾患の治療の関係で水なしで服用する必要があります。
口腔内崩壊錠(OD錠)のメリット
- 水がなくても服用できる
- 吸収が安定しやすい
ミニリンメルトの正しい飲み方
飲むタイミングは?
就寝前 が基本です。
夜間の尿量を減らす作用が、寝ている時間帯に最も発揮されやすくなります。
また食事の影響を受ける薬で、食後に飲むと効き目が低下する可能性があるので注意が必要です。
飲み方(薬剤師が最もよく説明するポイント)
- 手のひらにのせて口に入れる
- 唾液で自然に溶かす(無理に噛む必要はありません)
- 上あごにくっつけて溶かしてもOK
- なるべく水なしで飲む
✔ 水を飲まずに服用できるため、就寝前の水分制限を邪魔しません。
水分制限が必要な理由
ミニリンメルトは抗利尿作用が強く、水分をたくさん摂ると低ナトリウム血症のリスクがあります。
具体的な水分制限
- 服用の2~3時間前から飲んだ後8時間程度、水分を控える
- 多めに水分を摂取した場合は薬を服用しない
- 就寝中の水分摂取は原則なし
薬を服用した場合に過剰に水分を摂取すると低ナトリウム血症のリスクが上昇するので注意が必要です。
特に夏場や運動後など喉が渇いているときは、
「飲みたい気持ち」と「安全のバランス」を医師と相談しながら調整が必要です。
ミニリンメルトをより効果的にするコツ
生活習慣の見直し
ミニリンメルトを飲んでいても、生活習慣で効果が変わることがあります。
- 寝る前に必ずトイレに行く
- 寝る2〜3時間前から水分を控える
- 塩分の摂りすぎに注意する
副作用と注意点
特に注意したい「低ナトリウム血症」
ミニリンメルトOD錠で好発する副作用は「低ナトリウム血症」です。
その頻度はなんと10%以上となかなか見ない高頻度です。
具体的な症状
- 頭痛
- 吐き気
- ぼーっとする
- 眠り込みすぎる
- 意識がもうろうとする(重症時)
上記の症状がある場合は、すぐに医療機関に相談してください。
その他の副作用
- 頭痛
- 腹痛
- 倦怠感 など
薬の飲み合わせについて
ミニリンメルトは水分バランスに関わる薬と相互作用が出やすい傾向があります。
分類でいうと利尿薬やNSAIDs、三環系抗うつ薬などがあります。
注意が必要な薬の例
- 利尿薬
- 抗うつ薬(特にフルボキサミン、パロキセチンなど)
- 抗てんかん薬(カルバマゼピンなど)
- NSAIDs(ロキソニン、イブプロフェン など)
何か新しく薬を飲む際は、医師や薬剤師に必ず確認しましょう。
まとめ
- ミニリンメルトは 正しい飲み方と水分制限が非常に重要 な薬です。
- 特に「就寝前の服用」と「服用前後の水分制限」を守ることで、効果が最大限発揮されます。
- 不安な点があれば、遠慮せず医師・薬剤師に相談してください。
参考
120μg/240μgを 服用されている患者さんと ご家族の方へ
医薬品インタビューフォーム
医療用医薬品 : ミニリンメルト (ミニリンメルトOD錠60μg 他)
Use of Desmopressin in Hyponatremia: Foe and Friend
