片頭痛の新しい治療薬「ナルティーク」1錠で発作も予防もできる?作用機序・効果・使い方を薬剤師がわかりやすく解説

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最近になって販売され始めて「ナルティーク」って知っていますか?
1錠で発作の治療も予防もできるすごいやつです。職業柄なのかシムビコートが出た時と同じワクワク感がありました。
というわけで、今回は「ナルラティーク」の使い方と作用機序について解説していきます。

ちなみに新薬になるので14日間の処方制限がつくのですが、一回の処方量って7日分ですよね?
追加で頓服で7回分出すくらいが現実的な処方かなと思ってはいますが…

目次

ナルティークとは?片頭痛治療の新しい選択肢

ナルティーク(一般名:リメゲパント硫酸塩水和物)は、片頭痛治療に用いられる「CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)受容体拮抗薬」に分類される経口薬です。
これまで(2026年1月以前)日本の片頭痛治療では、発作時に使用するトリプタン製剤と、予防目的で使用する内服薬や注射薬を使い分ける必要がありました。

ナルティークの最大の特徴は、「急性期治療」と「発症抑制(予防)」の両方に1剤で対応できる点にあります。
さらに口腔内崩壊錠(OD錠)であるため、水がなくても服用でき、片頭痛発作時の服薬ストレスを軽減できる点も大きな利点です。

OD錠なので発作時もすぐ服用できるのはメリットだと思います。だいたい新薬は普通錠を販売して、特許の重ね掛けとかで利益を伸ばすためにOD錠が販売されるんですが、そうじゃないのは患者さん目線で好感がもてます。


片頭痛とCGRPの関係

片頭痛は、三叉神経が刺激されることでCGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という神経ペプチドが放出され、脳血管の拡張や神経原性炎症が起こることで発症すると考えられています。

CGRPは、片頭痛の痛みを引き起こす中心的な物質であり、近年の治療はこのCGRPの働きを抑えることを標的としています。
従来よく使われてきたトリプタン製剤は血管収縮作用を持つため、心血管疾患を有する患者では使用が制限されることがありました。

その点、ナルティークは「血管を収縮させずにCGRPの作用を阻害する」ため、理論上は心血管系への影響が少ない治療選択肢とされています。


ナルティークの作用機序

ナルティークは、CGRPが結合する受容体を直接ブロックすることで作用します。
これにより、片頭痛発作時に起こる血管拡張や痛みの信号伝達が抑制され、頭痛や随伴症状の軽減につながります。

抗CGRP抗体製剤(エムガルティ、アジョビ、アイモビーグなど)は注射薬であるのに対し、ナルティークは経口薬である点が大きな違いです。
「内服でCGRPを標的にできる」という点で、治療の選択肢を大きく広げた薬剤といえます。

引用:ナルティークOD錠75mg インタビューフォームより


効能・効果:急性期治療と発症抑制

急性期治療としての効果

片頭痛発作時にナルティーク75mgを1回服用することで、頭痛の消失や症状の改善が期待できます。
海外試験では、服用2時間後の痛み消失率や、患者が最もつらいと感じる症状(光過敏、音過敏、悪心など)の改善率が、プラセボと比較して有意に高い結果が示されています。

発症抑制(予防)としての効果

ナルティークは、隔日で75mgを服用することで片頭痛の発症頻度を減らす効果も示されています。
日本人を対象とした臨床試験でも、月当たりの片頭痛日数が有意に減少しており、予防治療としての有用性が確認されています。


ナルティークの使い方

急性期治療では、片頭痛発作時に75mgを1錠服用します。
1日の最大投与量は75mgであり、追加服用はできません。

発症抑制目的の場合は、75mgを隔日(2日に1回)で服用します。
予防服用日であっても発作が起こることはありますが、その場合も同日に追加でナルティークを服用することはできない点に注意が必要です。
つまり1日の総投与量は75mgまでということです。

引用:ナルティークOD錠75mg インタビューフォームより


副作用と注意点

比較的よくみられる副作用として、悪心、倦怠感、発疹などが報告されています。
頻度は高くありませんが、過敏症反応が起こる可能性があるため、服用後に異常を感じた場合は速やかに医療機関へ相談する必要があります。

心血管系への影響については、現時点で明確なリスク増加は示されていませんが、長期的な安全性については今後のデータ蓄積が待たれます。

それとCYP3A4阻害作用を持つ薬とも併用注意です。CYP3A4阻害により本剤の代謝が遅れ血中濃度上昇が起こる可能性があります。


腎機能・肝機能障害がある場合の注意

重度の腎機能障害(eGFR 15未満)や重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)では、血中濃度が大きく上昇する可能性があるため、ナルティークの使用は避けるとされています。

中等度の腎機能障害や肝機能障害がある場合も、慎重な投与判断が必要です。


ナルティークの位置づけ

ナルティークは、「急性期治療」と「予防」の両方を経口薬でカバーできる初めての片頭痛治療薬です。
トリプタンが使いにくい患者や、注射薬による予防治療に抵抗がある患者にとって、新たな選択肢となります。


まとめ

ナルティークは、CGRPを標的とした新しい作用機序を持つ片頭痛治療薬です。
1剤で発作時の治療と予防の両方に対応できる点は大きなメリットですが、投与量や併用、腎・肝機能への配慮が必要です。

片頭痛治療は個人差が大きいため、使用にあたっては必ず医師・薬剤師に相談しながら、自分に合った治療を選択することが重要です。

参考

ナルティークOD錠 | 【公式】ファイザー製品情報サイト
CGRP 関連新規片頭痛治療薬ガイドライン(暫定版)

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