スイッチOTCのギュラックや医療用医薬品のポリフルやコロネルの主成分はポリカルボフィルカルシウムです。
効果効能としては便秘にも下痢にも使える成分ですが、どういった機序で作用が表れているのか気になる人も多いのではないでしょうか。
そこで今回はポリカルボフィルカルシウムの作用機序や服用時の注意点について紹介していきます。
目次
ポリカルボフィルカルシウムとは?
ポリカルボフィルカルシウムは、便の水分量を調整することで便通を整える バルク形成性下剤 です。
日本では、要指導医薬品「ギュラック」として市販されており、以前医療用で使われていた「ポリフル」と同じ有効成分を含みます。
医療用医薬品の適応は「過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状」です。
医療用医薬品 : ポリカルボフィルCa
- 効能または効果
過敏性腸症候群における便通異常(下痢、便秘)及び消化器症状
作用機序:水分を吸収して便の性状を整える

ポリカルボフィルカルシウムは高分子の吸水性ポリマーです。
- 胃酸でポリカルボフィルになる
- 腸管内で水分を吸収 → ゲル状に膨らむ
- 便のかさを増やし → 腸の動きを刺激
- 適度な硬さにする → 水様便の改善
そのため、便秘にも下痢にも使える のが特徴です。特に過敏性腸症候群(IBS)のように便通が不安定な方に適しています。
期待できる効果
ポリカルボフィルカルシウムの適応はIBS(過敏性腸症候群)による便通異常に対してです。
便秘にも下痢にも対応できるのが利点です。
- 慢性便秘の改善
- 下痢・軟便のコントロール
- IBS(過敏性腸症候群)による便通異常の改善
服用時の注意点
ポリカルボフィルカルシウムを服用する際は、以下に注意しましょう。
- 必ずコップ1杯以上の水で服用
→ 水分不足だと効果が出にくいだけでなく、食道や腸に詰まるリスクがあります。 - 十分な水分摂取を心がける
→ 普段の水分摂取を心がける事で薬の吸水作用を助け、便秘症状の改善を助けます。
副作用と使用を控えるべきケース
- 腹部膨満感、腹痛、便秘の悪化
- まれに腸閉塞(特に高齢者や術後の方)
- 腸の通過障害がある人は使用を避ける
まとめ
ポリカルボフィルカルシウムは、便秘・下痢の両方に使える過敏性腸症候群の薬です。
ただし、水分をしっかりとって服用することに注意することが大切です。自己判断ではなく、薬剤師や医師に相談の上で使用しましょう。
参考
くらしの薬箱


ポリフルが製造終了!?同じ成分の要指導医薬品『ギュラック』とは?薬剤師がやさしく解説 | くらしの薬箱
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